2008年 6月 スイス連邦ヨーデルフェスト ルツェルン全国大会にて
最高級クラス(1級エルステクラス)受賞しました!!


 スイスヨーデルフェスト(全国スイスヨーデル大会)


スイスヨーデルフェストとは、コンクールというよりヨーデル判定会です。

スイス伝統行事で1910年よりスイス連邦ヨーデル連盟の主催(ボランティアにより運営される) で全国大会は3年に1度開かれています。
ヨーデル・旗振り・アルプホルンの各部門に分かれて技を競い合うものです。


ヨーデルではソロ・2重唱・3重唱・コーラス・ファミリーの部に
分かれていて 1級-4級の判定を受けます。
(ちなみに1級が一番良く、最高ランク。実に半分以上の個人やアンサンブル 合唱が1級と2級に収まります。
2008年このルツェルンの大会、ヨーデルソロの部は、195人が受けて、
1級102人・2級74人・3級19人・4級0人。 日本人は2人受けて2人とも1級でした。)


1度受けた個人や、グループ合唱など、大抵の場合生涯?受け続けるといわれていて、 次の判定会までの3年間有効なライセンスといった感じです。

「アマチュアでないと受けられない、」「外国人は受けられない」

と言われていたのですが、私はマリーテレーズ・フォングンテン先生(私のヨーデルの先生)の推薦で 受けられました。


3年前に1人ヨーデル好きの日本の主婦 伊藤啓子さんが出られて、そのニュースを聞き「私も出たい!」と言った時、スイスと日本の親善の仕事をしているスイス人に

「桜はプロだからアマチュアリズムのスイスの精神は解らないだろう。」

「韓国のキムさんは、.ドイツバイエルンヨーデル、 チロルヨーデルは仕事で歌うがスイスヨーデルはホビーだと言うが桜もそう言えるか?」

と聞かれ、

「私は普段プロだけど、スイスヨーデルが本当に好き。スイスヨーデルはホビーでやります」
(いつもコンサートやイベントではドイツヨーデル・オーストリアヨーデルをほとんど歌っている) と明言して受けることが出来ました。

アマチュアと言ってもレベルは高く、音楽をお金に対価させない、というプライドを持ったアマチュアです。

 

スイスヨーデルフェスティバル公式 成績表の冊子

マリー先生と一緒に

公式成績表 PDFファイル(Klassierungsliste komplett
の3ページ目に記載されています)

ルーカス教会外観

 

 
ルーカス教会で歌うコンクール本番

コンクールの様子(動画)はこちら。


マリーテレズ・フォン・グンテン先生からの手紙

Liebe Sakura
親愛なる桜 お手紙をありがとう。
沢山のボールペンと替え芯を送って下さり、ありがとう。とてもうれしいです。これを使って、もっときれいに書けます。......

ルツェルン・ヨーデル祭りでの、桜さんの歌と獲得した成績について、もう一度おめでとうと申し上げます。桜さんがやり遂げたことは、ただただ本当に素晴らしいです。桜さんとの練習は、私にとってもとても中身の濃いものでした。練習はとても楽しかったです。

さて、桜さんのヨーデル祭りへの参加と成功について、報告を書きます。それを読んで頂ければ、私があなたをどんなに大事に思っているかが分かってもらえると思います。

11月に桜さんが再びスイスに来て、私たちのコンサートに参加してくれることを楽しみにしています。
では、今日はこれで。ありがとう。


心からのあいさつを。

2008年7月
マリー・テレーズ


2008年ルツェルン・スイス全国ヨーデル祭りへの北川桜さん参加の報告
Bericht u¨ber die Teilnahme von Sakura Kitagawa
am Eidg. Jodlerfest in Luzern 2008

2007年11月、桜さんが、私のところに来て、スイスヨーデルを一層理解するためのヨーデル・レッスンを受けました。
(*マリーテレーズ・フォン・グンテン先生には20年近く、定期的にスイスに行きレッスンを受けている)
双方がしっかり理解し合えるようにと、ドイツ語・日本語の通訳と一緒に来ました。

数日間、色々な歌の練習を熱心にやりました。基本的なことの練習を沢山やりました。口語のテキストが意味に即して、日本語に通訳されました。桜さんは、毎日熱心に、そして才能豊かに復習し、新しい曲も習いました。日本に戻っても引き続き練習ができるように、練習の様子がビデオにも収められました。 
2008年春に、再度練習の予定が立てられ、桜さんが再びスイスにやってきて、集中レッスンを行いました。その時に、ルツェルンで行われる今年の全国ヨーデル祭りに参加して、沢山の聴衆の前で練習の成果を発表するという考えが生まれました。こうして、私が作曲した「E Bitt」を集中的に練習しました。
 
桜さんが、たゆまず全力を投入し、できる限り、正真正銘で純粋なスイス・ヨーデルを歌えるように努力しているのを見るのは、私にとって、大きな喜びでした。スイスの方言を、できるかぎり分かるように話すことは、本当に難しいことでした。桜さんは、日本にいる期間にも、ドイツ語のレッスンを受け、おかげで、私たちは、さらにお互いに分かり合えるようになってきました。
その間にも、ヨーデルフェスト2週間前を切って、東京から来た主婦ヨーデル伊藤けいこさんとのデュエットで歌うために、私の作曲した「Werum I tue singe」(「だから私は歌い続ける」)を練習しました。二人のよく出来上がった声は、素晴らしく補い合っていました。 
ヨーデル祭りの直前にも、ヨーデルのレッスンの予定を入れました。それは、歌をさらに美しく仕上げ、同時にどうしても必要な気持ちを込めていく練習です。ソロでは、タカ・ガンシュさんがアコーデオンの伴奏をしましたが、伴奏音楽の研鑽に余念がありませんでした。

 こういう努力を最大限にやって、初めてルツェルンでの大きな祭典に参加することができたのです。マスコミは、祭典が始まる前から、二人の日本人ヨーデル歌手に注目し、祭典中、喜んで二人を「追いかけ」ていました。     
 発表舞台は輝かしいものでした。素晴らしい声と、とても深い気持ちを込めて 桜さんが歌ったヨーデルが聴衆の心に響きました。聴衆は、ひとりの日本人女性の大きな力量の前に、驚き、すっかり魅了されました。
デュエットは、第2の成績を受けました。ソロは最高の成績である第1の成績に報われました。おめでとう。

とても熱心で、ヨーデルに大きな興味を持っている「ヨーデルの生徒」桜さんと知り合いになったというだけでなく、彼女の朗らかな性格のおかげで、愛情に満ち、尊敬に値する人格として評価できることが分かりました。
私にとっても、いつも心豊かになることでした。  

 桜さん、ありがとう。そして、もう一度ヨーデル祭りでのあなたの成功、おめでとう。
Marie-Theres von Gunten
マリー=テレーズ・フォン・グンテン

  
地元の新聞 BERLAND/REGION THUN紙 の取材を受け
2008.1/18日に掲載されました。
(画像をクリックすると大きめの画像を見る事が出来ます)

現地テレビ局の取材を受け、練習風景が放映されました。
その様子をこちらから視聴できます。

こちらのページの中央画像の上から7番目。
Die Ko¨nigin am Jodler-Festです。

2008 スイスヨーデルフェスティバルの様子

凄い人・人・人の2008 ルツウエルン
ヨーデルフェスト
マリー先生のグループ・ヨーデルフェスト・ルツエルンテアターにて
スイス アンサンブル エンツィアン
主婦のヨーデル歌い 伊藤啓子さんとデュエット
ヨーデルフェストの看板の前で!
赤いチョッキのアッペンツエル地方のヨーデルグループ
コンクール本番あと ルーカス教会の庭で
ヨーデルフェストのラッピングカー
ヨーデルフェストの街角で
ヨーデルフェストパレードの様子1

ヨーデルフェストパレードの様子2
ヨーデルフェストパレードの様子3
ヨーデルフェストパレードの様子4
ヨーデルフェストパレードの様子5
ヨーデルフェストパレードの様子6
ヨーデルフェストパレードの様子7
 
ヨーデルフェストパレードの様子8
ヨーデルフェストパレードの様子9
2007 11月
11月スイスマリー先生のレッスン後。皆で!
素敵なスイスの夕焼け

11月レッスン後で
11月スイス 玉ねぎ祭りで!
11月スイスの街角で
マリー先生の家のエーデルワイスの花
20084月
4月マリー先生と!
4月 マリー先生の家の前で!
宿の近くのパン屋さんの看板
4月マリー先生とタカ・ガンシュ
4月 レッスンの合間のひととき。 マリー先生とボウリング
20084月マリー先生の家の前で
4月カウベルがいっぱいあった民家
4月 宿のバルコニーから
4月 雪の朝

 


スイスヨーデルは 労働の後の、仲間と生きる 愛情のうた


 私が初めてマリーテレーズ・フォン・グンテン先生の門を叩いたのが1992年
(ヨーデル自体はそれより何年も前から歌っていた。日本では下山田一郎氏に師事)
その時は自分がヨーデルフェストに参加することなんて微塵も 考えてなかった。「桜は外人だしプロで歌を仕事にしているから、受けられない」そう言われ続けていた
(ドイツヨーデル・オーストリアヨーデルの世界はプロが沢山いて 仕事にしているけれど、スイスヨーデルはアマチュアリズムのものだから。)

でも凄く素敵な音で、心がこもっていて、ずっと続けて勉強していた。 だから今回ヨーデルフェストに参加出来たのは感慨ひとしおである。
結果は最高級クラスをいただき、結果も嬉しいがその過程が何より良かった。

 「アマチュアの良さ」高校のときの合唱団を思い出した。 私たちプロは、普段いかに効率よく稽古をするかを考えていることが殆どだけれど、
スイスの出合ったヨーデル歌いたち、アンサンブルや 合唱の方々は、本当に 稽古そのものが楽しい。何回でも稽古する。
勿論さっきより指導者のせりふを聞いてクオリティを上げようという稽古 なんだけれど歌うこと自体が楽しくて仕方がない、
そう 自分の為に歌っている。楽しいから。そして稽古が終わったら皆で必ずお茶をする。 仲間がいて歌えることが嬉しいのだ。 音楽の原点だなあ。と思った。
利害がない、ヨーデルフェストで1級でも2級でもお互い「よかったな!」「また3年後に!」なんて肩を叩いている。

 私も普段のことはすっかり忘れて(普段も充分楽しいが、普段は歌は仕事なので責任があるのです。どんなことがあっても 必ず期待されたことに応えるという。)時間をふんだんに使い、練習から音楽を楽しんだ。

スイスヨーデルは生活に根ざしたもの、ヨーデルの背景も一緒に感じよう、と思い かなり仕事を調整して、11月2週間 1月2週間 2月2週間 4月2週間 6月〜7月 36日間 とスイスに行きマリー先生のレッスンを重ねた。

ヨーデルフェスト用の曲だけでなく、沢山のソロ曲 ヨーデル合唱も研鑽した。伴奏合わせも星の数ほど回数を重ねて、普通なら煮詰まってしまうところが今回は本当に楽しめた。

音楽はどのジャンルでも これでもういい 出来たと思ってしまうと終わりである。(音楽家100人が100人そう言うだろうが)例え先生が「もうこの曲は仕上がっているから、何も言うことはない。」と褒めてくれても、 音楽をより深く考え 感じ 表現するよう研鑽する。

本番に1000回以上乗せた曲でも、毎回新しい気持ちで迫真の出来を目指す、練って新しい解釈がある時加わったりする、そしてそれには終わりがない。
だから面白いのだ。
スイスヨーデルの世界は深く素晴らしい、心からの歌だ。そんな事を考えていた。

「ヘイ!桜!桜のヨーデルフェスト本番の歌を感激して聴いて泣いていた人がいたよ!」

マリー先生が走ってきて伝えてくれた。 嬉しかった。心の底から。

「桜は表現力があるね!素晴らしい」

と何回も言ってくれた。

本番あと、沢山の新聞やテレビの取材・スイス人に囲まれて、なかなか東京から応援に来てくれたヨーデル好きのおじさんたちの所にいけない有様だった。 何処の新聞社だったのか後で調べたが その時名刺を貰っていれば。。今になって思う。

道で「歌ってくれ」とスイス人たちに請われて歌った。彼らもそこここで歌っていた。アルプホルンのチームも高らかに音を出していた。
 そう、これがスイス人の誇り スイスの文化だ。音楽を皆が楽しむお祭り。


いろいろな人の繋がりも出来、お世話になり、人って暖かいなあと改めて実感した。言葉が足りない私(スイス、ドイツ語がぺらぺらではないので)に、 同じ人間として、想像して理解してくれたり、日本人の出合った人たちも皆応援してくれたり、ヨーデルフェストがなかったらこの関係はなかった、 と思うと本当に参加して良かったと心の底から思える。
この場を借りて出合ったお世話になった方々応援してくれた方々、みんなに感謝の意を伝えたい。

本当に有難う。有難うございます。

これからもドイツヨーデル・オーストリアヨーデルは仕事で、スイスヨーデルはホビーで歌っていきます。
どうぞヨーデル北川桜を応援してくださいね。

またこの記事を読んでくださったあなた、今度是非 北川桜のヨーデル聞きにいらして下さいね。
2008年12月には都内と神奈川でスイスヨーデルに絞ったコンサート行います。お待ちしています。



2008.10 北川桜


追記
1 日本でのコンサートの前に、11月に又マリー先生がスイスに呼んでくれて、先生の指導しているコーラスのコンサートで、コーラスと一緒にソロで歌う。マリー先生とデュエットをする、
今からとても楽しみにしている。→無事終了しました♪コンサートののレポートはこちら覗いて下さいね!

2スイスヨーデルコンサート 決まりました!12月7日伊勢原市民会館小ホール(ホール主催のコンサート)15時〜 12月14日松本記念館 (二子玉川)ホール (有 )桜企画主催のコンサート →無事終了致しました。満員御礼。いらして下さった方有難うございました!

3北川桜スイスヨーデルのCDを2009.3月にスイスでオイグスター社より出版します(日本人で初めてスイスでヨーデルCDを出版したことになるそうです!)。マリーテレーズとの2重唱、ビリ・バロッティのアコーディオンととても面白いものに仕上がりそうです。 詳しくはこちらです♪皆様どうぞ聴いて下さいね!

4北川桜スイスヨーデルのCDは少し遅れて、2009.4月にスイスオイグスター社より出版しました。からだのびのび、オーガニックなスイスヨーデルのCD出来上がりました!!スイス・日本で発売中!心の空気清浄機のような感じ。お試しください♪こちら

5 2009年、今年は10月にスイス最大級の民族の祭典「Interfolk Jungfrau(インターフォルクユングフラウ)」の記念すべき1回目に唯一の日本人として、ゲストで招聘して頂きました!
→無事歌って参りました。スイスのテレビ番組 「ムジーク・シュトゥーベ」に出演しました!こちら動画
レポートは只今作成中!

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