新しい自分を見つけよう
裏声で魅惑の響き 「アルプスヨーデル入門」北川桜さん
新講座「アルプスヨーデルを歌う」を担当するプロアルプスヨーデル歌手の北川桜さん
「アルプス地方の民族音楽ヨーデルは、ドイツ、オーストリアとスイスでは異なります。前の二国はビアホールなどで盛り上がるスピードの速い曲が中心でプロ歌手も多い。スイスはアマチュアリズム。職業としないことに誇りを持ち、素朴な味わいがあります」
日本のアルプスヨーデルの第一人者として活躍するプロ歌手の北川桜さんが、実演を交えながら説明する。二十三日から始まる「アルプスヨーデルを歌う」で三回にわたって手ほどきする。
ファルセット(裏声)と地声を織り交ぜる独特の歌唱法で知られるヨーデル。「だからアマチュアにとって、スイスヨーデルはとっつきやすい。スイスの『麗しのエンメンタール』をレッスン曲に選びました」
ファルセットが難しそうだが、北川さんは笑顔で「声をひっくり返すだけなら初回からできる人も」と安心させる。発声やのどの開き方、体の使い方を学び、実演を見せ、歌唱法則を解説し、ヨーデル部分を集中的にレッスンする。
国立音大声楽科を卒業し、オペラやミュージカルに出演しながら、一九九二年から年数回は憧れのヨーデルを学ぶために現地へ。ホフブロイハウス東京店で歌うなど、徐々にヨーデル中心の活動になっていく。
二〇〇八年、スイス連邦主催のヨーデルフェストで最高級クラス一級に輝いたのをきっかけに、日本人で初めて本場スイスでCDをリリース。現地のマスメディアに取り上げられ、コンサートなどに引っ張り凧という。
「人が夢を見られるような仕事をするのが、表現者としての私の使命。名古屋にヨーデルのブームを起したいですね」。北川さんは意気軒昂だ。
第4火曜午後1時から。受講料は三カ月分8820円。
写真は、アルプス地方の民族衣装でヨーデルを歌う北川桜さん‖東京都新宿区で