☆スイスヨーデルコーラスって?
スイスには沢山のヨーデルコーラスがあります。例えばベルンには300を超えるヨーデルコーラスや
小編成のヨーデルグループがあり、又個人や2重唱でヨーデルを歌っている人もいます。
生活の中に根付いている アマチュアリズムのものです。昼間は皆会社員だったり、ファーマーだったり 警察官だったり、家庭の主婦だったり、夕方の時間になると
集まってきて皆で声を合わせて歌います。
歌う喜び生きる喜び、そして稽古が終わったら仲間と必ず飲みに行き語らう。自分たちの郷土の歌 労働の後の憩いの歌です。
普通の合唱とスタイルがちょっと違いますが、素敵なハーモニーで難しくはないです。お腹の底から声を出す。体にもとってもいいんです。
☆ヨーデルフェストなんてものがあります。
スイスには3年に一度スイス連邦主催のヨーデルフェストというお祭りがあります。
とても大きなお祭りで今年はルツェルンの町で、6月の終わりに開かれました。
36万人の人出で、11箇所の会場で、2日間にわたり、「ヨーデル」「旗振り」「アルプホルン」を朝から晩まで、それぞれの郷土の民族衣装を着て、競い合います。
ヨーデルの部はソロ、2重唱 3重唱 コーラス ファミリーの部と分かれています。
コンクールというより判定会で、1級から4級までの判定を貰います。
(1級エルステクラスが1番良い。半分以上の個人やグループが1・2級に収まり、4級は殆どいない)
1級でも2級でもお互い「良かったよね!」「また3年後に会おうな」肩を叩き合うそんな感じです。
1回フェストに参加した人は大抵生涯受け続ける。判定は3年間有効なライセンスといったところです。
3日めは民族衣装を来た大パレードになり、それはそれは壮大で見ていて圧巻です
☆そもそもヨーデルって?
元は牛の泣き声のまねをして山の魔物から身を守るための発声だったり、牛を追うときの声だったりしました。
地声と裏声を交互に出す発声方法です。ヨーデルにはスイスヨーデル・ドイツヨーデル・オーストリアヨーデルと元は一緒といわれていますがそれぞれアルプスの中にも違った独自の文化があります。
ドイツではヨーデルは「ビアホール」や「オクトーバーフェスト」などビールのシーンで発達しました。飲んで騒いで「もっと早く!!もっと早く!!」と囃したてられて乗りのいい、サーカスの様に速いヨーデルになりました。ビアホールから歌謡曲の分野に(日本でいう演歌)に発展してフランツルラングなど大人気の歌手も出ました。
オクトーバーフェストでは歌手といえばヨーデル歌手の事、早い盛り上がるヨーデル、又ゆっくりとした綺麗なメロディのヨーデル、詩の素敵なヨーデルと沢山の歌が歌われます。
オーストリアは村や町の郷土賛歌が多く、美しい旋律と後半ヨーデルといった形式のものが多いです。
ドイツとオーストリアにはヨーデルのプロがいます。ヨーデルコンサート もプロのものが殆どです。
そしてスイスはアマチュアリズム、仲間との交流の為のヨーデルといった感じです。速い曲は比較的少なくて、技巧的なドイツなどのものに比べるとシンプルな音そのものを楽しむ感じの
曲が多いのが特徴です。
スイスには合唱のヨーデルも沢山あります。この場合全員がヨーデルを歌うのではなくヨーデル担当+ハーモニー担当といった感じになります。
このような大自然の中から生まれた、お腹の底から歌うスイスヨーデルコーラス。決して難しくないです。
あなたも是非一緒に歌いませんか?
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