スイスで最も上手な、そして50年の伝統のある ヨーデルコーラス
私のスイスヨーデルの師匠 マリーテレーズ・フォン・グンテン 先生の31年間指導している、スイスで最も上手なヨーデルコーラス(ヨーデルフェストで最高級クラス1級を40年以上取り続けている)のうちの一つ ゴイエンゼーヨーデルコーラス
の2008年定期演奏会に ゲストで呼んで頂きました。
彼らは日本人と共演をしたのは初めて、今回のテーマは堂々、「日本との交流!」でした。、舞台にはでんと、真っ赤な鳥居、日本の歌「早春腑 」を浴衣やはっぴを着て、日本語で一緒に歌ったり
それはそれは、楽しいコンサートでした。
私はヨーデルのソロ・マリーテレーズとディエット・カウベル・日本の歌を、演奏しました。
とても意外でびっくりしたのはカウベル(スイスドイツ語ではアルペンシェッレ)はスイスではほとんど演奏されない、と言うことでした。
ほとんど会場の全員が「初めて聞いた!素晴らしい」と言っていたことです。
10何年もアルプス全体の民族楽器として、演奏してきましたが、どうやらスイスでは全く盛んでなく、オーストリアの民俗楽器だったようです。
何十回もアルプスに足を運びましたが、まだまだ新しい発見があるなあ。と思いました。
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お客様も心得ていて、途中良かったら、オペラのように、何回も拍手でアンコールしたり、一体になって楽しんでいる。
子どもたちも参加で、まるで天使のコーラス♪しかもかなり上手。司会も子供たち。漫才のような掛け合いで、笑いを取っていた。
曲目はほとんどがマリーテレーズのもの。人の声の暖さで聴く、ハーモニーはとても素敵。そこに素朴さも加わって、ヨーデルコーラスって本当にいいなあと思った。
コンサートが終わったら、出演者はものの1秒で着替えて、今度は会場がそのまま、レストランに早変わり、 スイスアコーディオンとコントラバスのバンドを雇って、
ダンスホールのようになりました。夜8時から10時がコンサート。終わってから延々ダンスパーティ夜中2時半ごろ迄。車で宿に帰りつくのは朝の4時半。
給仕はゴイエンゼーコーラスの出演者とその家族、みんなが力を合わせて、来てくれたお客様をもてなす。もともと給食室のような設備がホールにはついているのです。
さっきソロを歌った、彼女がもう着替えて、肉を焼いている。テノールのおじさんは大鍋で調理している。
自分たちのお祭り、まるで学園祭。
「桜これがスイスのコンサートのスタイル!スイススタイルよ!」
マリーテレーズが言います。
コンサートの次の日はぐったり疲れるから、お休み。というわけで、日にちが続いていない理由が解りました。
「ほとんどのヨーデルコーラス・ヨーデルグループのコンサートはこうなのよ!楽しいでしょう」
マリーテレーズが言います。音楽は楽しむもの、仲間と楽しむためにある。
スイスヨーデルって本当に音楽の原点。
彼らアマチュア、アマチュアならではの良さなのかもしれない。
と同時に、「We are no king」私たちには王様がいない。彼らが良く使う言葉、
誰かが偉いわけじゃない、皆で力を合わせて生きてきた、力を合わせなければ生きてこれなかった。
そんなことを感じさせる。
自分たちの事は自分たちで話し合って決める。そんな「みんな平等」の精神が、体の中に刻まれているのかもしれない。
ヨーデルを通してまたひとつ、大切な思い出ができた。
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