以下記事の翻訳
地元のルツェルンの新聞の取材を受けて2008.11.27 に掲載されました。
日本の歌手がゴイエンゼーでヨーデルを歌う
日本(東京)から来た北川桜さんは、今年のスイス連邦ヨーデル祭りに外国人として参加しました。そして、今ゴイエンゼーのコンサートに出演しています。
「文句なく感じ取れる組み立てと表現力による感動的な歌唱。傑出したパフォーマンス。第1クラス」。ちょっと待って下さい。「第1クラス」を受賞したヨーデル歌手が、エントレブッフ、ムオッタタール、ベルナー・オーバーラントから来たと考えた人は、間違いです。
「完璧な音だし、調和した純度、リズム、ダイナミックさ」という「第1クラス」の評価は、東京から参加した北川桜さんにも当てはまります。
北川桜さんは、ルツェルンで行われたヨーデル祭りに参加し、「E Bitte」を歌い、「第1クラス」に輝きました。この北川桜さんが、先週と今週、ゴイエンゼー・ヨーデルコーラスと共に、コンサートに出演しています。今度の土曜日の公演は既にチケットが売り切れています。
偶然が重なって
水曜日にゴイエンゼーで開かれたコンサートに来た300人を越える観客は、いったい何がゴイエンゼーと東京を結びつけているのか、疑問に思ったに違いありません。
「北川桜さんのコンサート参加は、偶然が積み重なって実現したのです」。
ゴイエンゼー・ヨーデルコンサートのハンス・アルビッサー会長が説明してくれました。
北川桜さんは、有名なヨーデル歌手であり、作曲家、指揮者でもあるマリ・テレーズ・フォン・グンテンさんのところでスイス・ヨーデルを習得していたのです。
いったいどんな風でしょう
Oesch's die Dritten (スイスで活躍するク・ク・ヨーデルグループ)のライバルが今や登場したのです。
桜さんが披露したのは、素晴らしい歌声で、同時にKu-ku-Jodel(ク・クー・ヨーデル)を影に押しやってしまうものでした。早口言葉のヨーデルを歌うときの桜さんはものすごいスピードで、アコーデオン伴奏のジョルジュ・シュトイブレさんでさえ、遅れずについていくのがやっとと言う程でした。
桜さんは、東京に暮らし歌の仕事をしています。クラシック音楽を学び、日本では数多くのオペラ、オペレッタ、ミュージカルなども歌ってきました。日本人がヨーデルを習うときに難しいのはなんでしょう。マリー・テレーズさんは、答えます。「ヨーデルでは、発音に注意しなければなりません。ところが、日本人は、「R」の音も「L」の音もないので大変なのです」
ゴイエンゼーコーラスメンバーが日本語で歌う
ゴイエンゼー・ヨーデルコンサートの新たな挑戦は、桜さんと一緒に日本の歌「早春賦」を歌うことでした。
この日のスローガン「音楽は(人の心を)つなぐ」が、見事に実現したのです。
ゴイエンゼーのヨーデルの夕べは、素晴らしいヨーデルの作品とマリー・テレーズ・フォン・グンテンさんの作品に彩られました。
マリー・テレーズさんは、30年来、ゴイエンザー・ヨーデル・コーラスを指導しています。コンサートはハンス=ヴァルター・シュネラー作曲の「D'Watterflueh」でオープニング。そして、ソロ、デュエット、トリオ、コーラスが、スイスでも指折りのヨーデル・コーラスに数えられることを存分に証明してくれました。
コンサートのハイライトのひとつは、子供のヨーデルコーラスで、これも素晴らしいものでした。プリスカ・ヴィスマーさんとプリスカ・ブドミガーさんの指導で、子供たちは、聴衆の心に響く歌を披露しました。
アルレット(9歳)とエリアネ(14歳)・ヴィスマー姉妹が、とても腹を割った話し方で進行役をこなして、日本語でも話しました。